【アメリカ】USPTO・PTABは審査用先例判決などを追加(6月11日)

アメリカ特許商標庁(USPTO)特許審判部(PTAB)は6月11日付、以下の先例判決1件と有益な判例4件を追加したと公示した。

アメリカ特許商標庁特許審判部は、先例判決或いは先判例(Precedential decisions)と有益な判例(informative decisions)を整理して、審判業務に活用している。これらの判例は法律出題の途に分類されており、以下のUSPTOのサイトで確認することができる。なお、これらの判例には現在の実務ではあまり利用されていないものも含まれるので注意が必要である。先例判決は、法解釈において拘束力があり、主なポリシーや手続き上の問題、その他例外事項などで引用されるが、憲法上の解釈、法令、規則、規制、判例法に関する重要な問題などが含まれる。一方、有益な判例は、拘束力はないものの、主に繰り返し発生する問題に関するPTABのガイダンスとなっている。新しく追加され者には〔NEW〕が付加されている。

  • DTN, LLC v. Farms Technology, LLC, IPR2018-01412, Paper 21 (June 14, 2019) (先例判決)
    本判決は、和解による手続きの終了に関し、和解契約で引用される担保契約を抹消する共同要求を否定したものである。特許法§317の当事者系再審査での和解に関し、判決は担保契約が特許権者と申立人の間である必要はなく、関連して或いは意図して作成される必要はないとするものである。
  • Sattler Tech Corp. v. Humancentric Ventures, LLC, PGR2019-00030, Paper 9 (July 26, 2019) (有益な判例)
    本判決は、意匠特許の付与後異議手続きの開始に関するもので、申立人が意匠のクレーム部分が装飾的ではなく、主として機能的であるが示され、確認された後に審査手続を開始するもの。
  • Kokusai Electric Corp. v. ASM IP Holding B.V., IPR2018-01151, Paper 38 (Aug. 20, 2019) (有益な判例)
    この判決は和解による手続きの終了に関し、特許権者のクレーム補正申立が決定される前に和解により訴訟手続きを終了するとした。特許権者は別途再発行または再審査の手続きにおいてクレームを追求できることが説明された。
  • Curt G. Joa, Inc. v. Fameccanica.data S.P.A., IPR2016-00906, Paper 61 (June 20, 2017) (有益な判例)
    この判決は口頭審理中の秘密情報の使用に関するガイダンスである。

参照サイト:https://www.uspto.gov/patents-application-process/patent-trial-and-appeal-board/precedential-informative-decisions?utm_campaign=subscriptioncenter&utm_content=&utm_medium=email&utm_name=&utm_source=govdelivery&utm_term=