欧州知財庁(EUIPO)のの知的財産権侵害欧州監視機関(the European Observatory on Infringements of Intellectual Property Rights)は、6月28日付、「EUにおける営業秘密訴訟の動向(TRADE SECRETS LITIGATION TRENDS IN THE EU)」と題するレポートを公示した。
本レポートは、2016 年 6 月 8 日の欧州議会および理事会指令 (EU) 2016/943第18条に基づき、2018 年に同監視団が発行した「EU加盟国における営業秘密訴訟のベースライン」を補完するもので、営業秘密の違法な取得、使用、或いは開示に関する訴訟傾向に関する新しい報告書であり、2017年1月1日から 2022年10月31日までの訴訟を対象としている。
新しい報告書は、EU における営業秘密訴訟の傾向の包括的かつ徹底した分析となっており、定量分析、定性分析、判例要約集の 3 部からなる。
定量的分析は、2017年1月1日から2022年10月31日までの約700件の判決を統計処理し、事件数、法廷および主題、経済的観点について加盟国間の違いを示している。
定性分析は、営業秘密の定義の解釈、違法行為、営業秘密指令に基づいて認められた措置、および比例原則に関する理論的な議論を示している。
判例集は、加盟国の裁判所によって発行された営業秘密に関する選択された訴訟の概要を示している。 EUでの営業秘密訴訟の傾向はまだ発展段階であり、EU 司法裁判所は営業秘密指令の主要な条項についてまだ説明する機会がないため、この情報収集は訴訟の傾向を定義するための貴重なリソースとなるとされている。
参照サイト:https://euipo.europa.eu/ohimportal/en/web/observatory/-/news/new-observatory-report-on-trade-secrets-litigation-trends-in-the-eu
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