WIPOは、2020年度のPCT国際特許出願、マドプロ国際商標出願、ハーグ国際意匠出願及びドメイン名紛争の統計データと分析を公表した。
●PCT国際特許出願
2020年度は、前年比+4%増の275,900件と過去最高になり、出願国ごとの内訳は、中国 (68,720件、+16.1%増)、アメリカ(59,230件、+3%増)、日本(50,520件、-4.1%減)、韓国(20,060件、+5.2%増)、 ドイツ(18,643件、-3.7%減)と主要国では日本とドイツが減少している。一方、増加が注目されるのは、サウジアラビア(956件、+73.2%増)、マレーシア(255件、+26.2%増)、チリ(262件、+17.0%増)、シンガポール(1,278件、+14.9%増)、ブラジル(697件、+8.4%増)で、過去10年を見るとアジアの増加が顕著で全体の53.7%を占めるようになった。
出願ランキングトップは、華為(5,464件)、三星電子(3,093件)、三菱電機(2,810件)、LG 電子 (2,759件)、Qualcomm (2,173件)、Ericsson(1,989件)、京東方科BOE(1,892件)、広東移動通信OPPO(1,801件)、ソニー(1,793件)、パナソニック(1,611件)と中国企業が目立つようになった。
参照サイト:https://www.wipo.int/edocs/infogdocs/en/ipfactsandfigures/
●マドプロ国際商標出願
2020年度は、前年比-0.6%減の63,800件と初めて前年(64,168件)比減少した。出願国ごとの内訳は、アメリカ (10,005件、-0.8%減)、ドイツ(7,334件、-4.7%減)、中国(7,075件、+16.4%増)、フランス(3,716件、-16.2%減)、イギリス(3,679件、+5.1%増)であり、日本は3,117件と―1.3%減少であった。増加が顕著な国はイタリア(2,748件、+3.6%増)、韓国(1,578件、+13.4%増)、カナダ(698件、+94.4%増)、デンマーク(630件、+11.5%増)である。
出願ランキングでは、Novartis(233件)、華為(197件)、資生堂(130件)、ADP Gauselmann (123件)、L’Oréal(115件)、任天堂(90件)、EURO Games(84件)、Apple(80件)、Syngentia(78件)、RIGO(70件)である。
2020年の新規加盟国はないが、2021年は1月1日よりイギリス指定にジブラルタルとガンジーが拡張され、1月12日よりトリニダード・トバゴ、5月24日よりパキスタンの指定が可能となった。
●ハーグ国際意匠出願
2020年度は、前年比-1.7%減の5,792件18,580意匠になり、意匠数による出願国ごとの内訳は、ドイツ (3,666意匠、-18.7%減)、アメリカ(2,211意匠、+62.7%増)、スイス(1,944意匠、-10.8%減)、韓国(1,669意匠、-39%減)で、日本は(408件1,151意匠、+18.2%減)であった。増加した国はアメリカ、中国(826意匠、+13.4%増)とトルコ(524意匠、+13.4%増)のみである。
出願ランキングでは、三星電子(859件)、Procter & Gamble (623件)、Fonkel Meubelmarketing (569件)、Volkswagen (524件)、北京小米(516件)、LG電子(478件)、Philips Electronics(463件)、Wenko-Wenselaar(362件)、Magic Leap(320件)、Lampenwelt(276件)である。日本企業のトップは三菱電機で107件である。
参照サイト:https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2021/article_0002.html