【国際】WIPOは2021年度国際出願統計を公表(2月10日)

世界知的所有権機関(WIPO)は、2021年度のPCT国際特許出願、マドプロ国際商標出願、ハーグ国際意匠出願及びドメイン名紛争の統計データと分析を公表した。最終集計ではないので最終的な変動がある数字であることにご留意ください。

●PCT国際特許出願

PCT出願国別推移

2021年度は、前年比+0.9%増の約277,500件(前年274,889件)と微増、出願国ごとの内訳は、中国 (69,540件、前年68,923件、+0.9%)、アメリカ(59,570件,前年58,477件、+1.9%)、日本(50,280件、前年50,578件、-0.6%)、韓国(20,678件、前年20,045件、+3.2%)、 ドイツ(17,322件、前年18,499件、-6.4%)と主要国では日本とドイツが2年連続減少している。一方、増加が注目されるのは、スイス(5,386件、+5.2%)、フィンランド(1,907件、+13.8%)、シンガポール(1,617件、+23%)、トルコ(1,829件、+13.2%)で、過去10年のアジアの増加が大きく全体の54.1%を占め、近年ではシンガポールの増加が顕著である。
 技術分野では、コンピュータ関連(構成比9.9%)、デジタル通信関連(構成比9.0%)、医療関連(構成比7.1%)、電機関連(構成比.9%)、計測関連(4.6%)が上位であるが、成長率では医薬品関連(+12.8%)、バイオ関連(+6.5%)、減少率ではITシステム関連(-10.1%)や内燃機関など関連(‐13.3%)が注目される。
 出願人ランキングは、華為(6,952件、前年5,464件)、Qualcomm (3,931件、前年2,173件)、三星電子(3,041件、前年3,093件)、LG 電子 (2,885件、前年2,759件)、三菱電機(2,673件、前年2,810件)、OPPO広東移動通信(2,208件、前年1,801件)、BOE京東方科E(1,980件、前年1,892件)、Ericsson(1,887件、前年1,989件)、ソニー(1,789件、前年1,793件)、パナソニック(1,741件、前年1,611件)で、2021年と同じ顔ぶれであるが、QUALCOMMの増加が目立った。

●マドプロ国際商標出願

マドプロ出願国別推移

2021年度は、前年比+14.4%の73,100件と前年の減少に対し反発し増加した。出願国ごとの内訳は、アメリカ (13,276件、前年10,017件、+32.7%)、ドイツ(8,779件、前年7,458件、+17.7%)、中国(5,272件、前年6,696件、-21.3%)、フランス(4,888件、前年3,741件、+30.7%)、イギリス(4,215件、前年3,679件、+14.6%)であり、日本は3,255件で前年は3,117件で+4.4%増加した。増加が顕著な国は、スウェーデン(1,254件、+42.5%)、カナダ(1,061件、+49.4%)、フィンランド(636件、+43.2%)、ノルウェー(433件、+49.8%)、である。
 出願人ランキングは、L’Oréal(171件)、ADP Gauselmann(120件)、GLAXO(90件)、華為(98件)、Novartis(94件)、EURO Games(93件)、Apple(92件)、HENKEL(90件)、資生堂(89件)、SYNGENTA(85件)である。
 2021年の新規加盟国は、パキスタン、トリニダード・トバゴ、UAEであった。2022年は3月27日からジャマイカの指定が可能となる。

●ハーグ国際意匠出願

ハーグ国際意匠出願国推移

2021年度は、前年+20.8%増の6,711件22,4800意匠になり、意匠数による出願国ごとの内訳は、ドイツ (4,469意匠件、前年3,666意匠、+21.9%)、アメリカ(2,610意匠、前年2,220意匠、+17.67%)、イタリア(2,051意匠、前年1,231意匠、+66.6%)、スイス(1,826意匠、前年1,944意匠、+82.4%)、フランス(1,528意匠、前年935意匠、+63.4%)、韓国(1,419意匠、前年1,669意匠、-15%)、オランダ(1,223意匠、前年1,001意匠、+22.2%)で、日本は(421件907意匠、前年408件942意匠、-3.7%)であった。イタリア、フランスの大きな増加が目立っている。
 出願人ランキングでは、三星電子(862件、前年859件)、Philips Electronics(678件、前年463件)、Procter & Gamble (665件、前年623件)、LG電子(655件、前年478件)、Volkswagen (403件、前年524件)、PSA Automobiles(303件、前年187件)、THUN(284件、前年175件)、北京小米(227件、前年516件)、LUQOM(216件、前年0件)、Harry Winston(196件、前年132件)である。日本企業はトップ50社に1社のみで三菱電機150件(前年107件)である。

参照サイト:https://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2022/article_0002.html