国家知識産権局(CNIPA)は、毎年発行している「中国専利調査報告」の2025年版を公示した。本調査は、27省(自治区、直轄市)を対象とし、2024年末時点で有効な特許を保有する企業など1.6万部(開国に所在する特許権者は除いている)、特許関連企業に4.4万部のアンケートを配布し、それぞれ83.7%と82.9%の回答を得て集計された内容となっている。なお、2024年末時点で、中国本土(香港、マカオ、台湾を除く)の企業が保有する有効な発明特許数は350.6万件に達し、前年比+20.9%増加している。特許権者数(個人を含む)は49.7万人で、前年比+7万増加している。
報告書の関東では、2025年の中国における特許イノベーションの動向を以下のようにまとめています。
1.研究開発(R&D)による特許取得の定着:中国企業の発明特許のうち、87.4%が研究開発を通じて取得されており、前年より+0.8ポイント、2021年より+2.9ポイント上昇している。特に、企業の規模が大きくなるほど研究開発による取得割合が高くなる傾向にあり、業種別では電力・熱供給業や自動車製造業で高い割合を示している。
2.研究開発投資の継続と長期化:研究開発を通じて取得された特許のうち、研究開発費が10万元を超えたものの割合は62.6%で、これは前年比では▲2.3ポイント減少したものの、2021年比では+5.5ポイント増加しており、「第14次5か年計画」では上昇したことになる。また、研究開発期間が1年以上におよぶ特許は55.6%と、全体の半数を超えている。
3.スタートアップ及び中小企業の活力向上:設立5年未満の企業が研究開発により発明特許を取得した割合は66.4%(前年比+6.2ポイント増)と大幅に上昇した。また、超小型企業の研究開発費が10万元を超えた割合も56.1%(前年比+2.8ポイント増)に達している。大学や研究機関との連携も、設立5年未満の中型(41.6%)、小型(47.9%)、超小型企業(33.4%)のすべてで前年より増加しており、活発な連携が見られる。
4. 産学研連携の深化:企業が大学や研究機関と連携する割合は、43.8%に達した。共同研究開発によって取得された特許のうち、連携相手に大学や研究機関が含まれる割合は71.2%(前年比+6.1ポイント増)と大きく伸びた。主な連携目的は、「新技術の市場応用の見通し開発」(35.6%)や「新製品・新手法の欠陥解決」(35.1%)となっている。
その他、我が国の特許産業化レベルは引き続き向上し、企業発明特許の産業化率は54.0%に達し、前年(53.3%)から0.7ポイント上昇しました。企業発明特許の産業化率は、第14次五カ年計画期間中、着実に成長を遂げました。企業発明特許の産業化による平均収益は特許1件あたり872万元で、平均収益水準は第14次五カ年計画期間中、着実に増加しました。海外における知的財産展開も活発でした。海外に製品を輸出している中国企業のうち、海外で特許出願を行った企業の割合は24.7%で、前年(23.4%)から1.3ポイント上昇しました。調査対象企業のうち、海外で特許のライセンス供与または移転を行った企業の割合は1.1%、海外の機関または個人から特許を利用した企業の割合は2.3%で、いずれも前年から増加しました。
本報告では、企業の知的財産管理状況、運用、紛争、研究開発投資など多岐にわたる情報が掲載されているので、中国企業(外国企業の現地法人含む)や研究機関、大学の現状を理解する上では、大変便利な資料となっている。
参照サイト:https://www.cnipa.gov.cn/module/download/down.jsp?i_ID=205590&colID=88

